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第12回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」in広島に参加して      

3月23日
読了時間: 4分

更新日:3月24日

 

  第12回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」は、2026年3月15日に広島工業大学五日市キャンパスにおいて、午前中に研究発表大会、午後に市民フォーラムが開催されました。また、前日の3月14日には午後にエクスカーション、夕方からは交流会が開催されました。


 広島駅2階には路面電車軌道が乗り入れて、新幹線、JR改札を通ってすぐに路面電車に乗れることにより利便性が格段に向上したことで話題になっています。交流会は、この広島駅ビルの中の3階のカフェを貸し切って90人が参加しました。写真の上部に写っているガラス越しにカフェがあり、眼下の2階レベルに広島電鉄の路面電車両やLRTでも使われているLRV車両などが頻繁に出入りする光景を見て楽しむことができました。



 広島は、戦後から一貫して路面電車を「残す」選択をした都市で、日本の地方都市の中でも「路面電車(広電)」を軸にした都市構造がうまく機能しています。路面電車がもたらしている効果はまず「移動のしやすさ」で、路面電車網は、市内中心部から郊外·観光地(宮島口など)まで広くカバーしています。この結果、特に高齢者や観光客にとっては直感的で使いやすい交通手段になっています。インフラとして長寿命である路面電車は地上を走るため、:街並みを見ながら移動でき、途中で気軽に乗り降りでき、商業エリアとも密接につながるなど、「点ではなく面で人が動く」構造でにぎわいを演出できています。


 広島駅周辺は近年大規模に再開発されており、昨年8月に駅ビルに路面電車の直接乗り入れが実現したことに加えて、バスターミナルや商業施設との一体化、歩行者動線の整理が進んでいます。また、広島は平和記念公園·宮島などの観光資源を持ちますが、乗換えが少なく、外国人にも分かりやすい路面電車がインバウンドの移動を支えています。現在、多くの地方都市が直面している中心市街地の空洞化、高齢化による移動弱者の増加、環境負荷の増大といった課題に対する実践的な成功例といえます。



 全国大会の当日の市民フォーラムでは、市長挨拶などに続いて、基調講演者は元広島電鉄の取締役電車カンパニープレジデントなどを歴任した、路面電車技術の第一人者(通称「路面電車の神様」)の中尾正俊氏が登壇しました。被爆経験を基に路面電車の存続と発展に人生を捧げ、2015年以降は広島から助っ人として宇都宮ライトレール株式会社の常務取締役となり、宇都宮LRTの開業と技術指導に尽力し、現在の宇都宮ライトラインを実現させた方です。

 そして、午前中の研究発表大会は、テーマ別にセッション会場(教室)において、“人と環境にやさしい交通”をテーマに、様々な立場にある方々がプロジェクターを用いて日頃の研究や活動の成果を口頭発表し、質疑応答がおこなわれ、全国の交通まちづくりに関心を持っている参加者に対して、有用でかつ最新の情報共有の機会となったと感じました。

 また会場入り口では研究発表の論文集も販売されていました。横浜の団体からは、「横浜にLRTを走らせる会」、「横浜の公共交通の活性化をめざす会」から6名以上の参加があり、研究発表や事務局、運営スタッフとしても活躍しました。


 この「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」は、横浜と大変縁があります。2005年当時、宇都宮の市民団体「宇都宮雷都レール」の要請を受けて大会の開催に協力して、第1回宇都宮大会から共催団体であったAREEV(エコエネルギーによる地域交通システム推進協会)のメンバーとして参加しています。

 第12回目となる今回はAREEVが母体となった「人と環境にやさしい交通をめざす協議会(代表:竹内佑一氏)」(https://www.yasashii-transport.net) が、広島市の地元の市民団体等と協力して開催した全国大会となっています。さらに、第2回京都大会の翌年2007年には、横浜市内の横浜国立大学キャンパスにおいて第3回の全国大会in 横浜が開かれています。(https://www.yasashii-transport.net/n_doc/2008yokohama.pdf) その当時は、本牧地域においてLRTの運動が活発であった時期で、全国から横浜のLRTを応援しようと企画されたものでした。大会では横浜市副市長(現長野県知事)の阿部守一氏が市を代表して挨拶をし、交通専門家とのパネルディスカッションにも登壇しました。

 余談ですが、前回の第11回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」は長野県上田市で開催されましたが、この時には阿部守一氏が長野県知事として登壇され、公共交通の大切さとその充実へ向けた固い決意を表明され挨拶とされました。


 この全国大会を二度開催したのは宇都宮市だけです。あくまでの個人的な希望ですが、たいした貢献をしたとは言えないにせよ第1回全国大会から何らかの形で関わってきたものとして、本牧においてLRT等による公共交通改善の市民運動が発展していくどこかの過程で、今一度、横浜市でこの「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」を開催できればと考えています。


             人と環境にやさしい交通をめざす協議会幹事 古川 洋

 
 
 

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